11月20日(水) 和歌山県の郷土料理給食
- 公開日
- 2024/11/20
- 更新日
- 2024/11/20
給食
令和6年11月20日(水) 和歌山県の郷土料理 給食
和歌山県の紀の川平野の東部に位置する那賀(なが)地方では、稲作を中心に、梅や柿など、気候風土に合わせた作物が生産されてきました。特に、江戸時代に整備された灌漑(かんがい)用水路によって、県下の穀倉(こくそう)地帯として発展し、地域で生産されてきた米と乾物や季節の野菜などを使って、郷土料理として多彩なすしが作られ、郷土の味として伝わっています。
その一つが、四季の野菜などをすし飯に混ぜてちらしずしにした「かきまぶり」です。「まぶり」は、那賀地方で「かき混ぜる」という意味の方言で、「かき混ぜ」と混ざって「かきまぶり」になりました。昔は鮮魚や肉を使わず乾物や野菜だけで作られていましたが、最近ではさまざまな具材を加えて家庭で伝承されています。
本州最南端の地を有する和歌山県は紀伊半島の大部分を占め、冬でも温暖な気候に恵まれています。周囲を648kmにも及ぶ海岸線に囲まれ、県面積の77%が山林、そのため、海岸線の間際まで山々が迫った地域も多く、平野部が少ないという特徴を持っています。しかし、この和歌山特有の地域条件が日当たりが良く、温暖な地を好むみかんの栽培に適しているのです。
太刀魚は、有田市の箕島(みのしま)漁港が面する紀伊水道が大阪湾からの海水と黒潮がぶつかる好漁場で、専用の網を使った小型底びき網漁法が古くから行われてきました。1992年から15年間の漁獲量で連続日本一を達成し、有田川の橋のたもとには記念として太刀魚のモニュメントが建造されているほどです。一般的には高級魚ですが、地元の人には親しみを込めて「たっちょ」と呼ばれ、よく食べられています。