9月9日(火)の給食【重陽の節句】
- 公開日
- 2025/09/09
- 更新日
- 2025/09/09
給食
◯牛乳
◯ごまごはん
◯菊花しゅうまい
◯青菜と菊のお浸し
◯鶏と里芋のすまし汁
9月のお節句、重陽の節句にちなんだ献立です。別名「菊の節句」と呼ばれているため、菊をふんだんに使った献立になっています。菊花しゅうまいのもち米の黄色は、少し高級ですがくちなしで色をつけました。他にはない和の黄色が映えますね。青菜と菊のお浸しは、菊の黄色を美しく出すために甘酢で味付けしてから全体と和えました。他のお節句とは少し存在感が異なるため、知らない人も多いかもしれませんが、給食で古来からの季節の行事を知ってもらえたらと思います。
写真1枚目
しゅうまいは、材料を刻み、タネを調味料よくこねて、あわせ、計量して1人分の分量を出し、丸めてから衣をつけます。1人2個なので本日は1480個を一つずつ作りました。
写真2枚目
手前にあるのが甘酢に浸した菊の花びらです。平安時代には菊の花びらをお酒に入れた菊酒を飲み、長寿を願ったと伝えられています。
【食育掲示・重陽の節句】
9月9日は五節句の1つである「重陽の節句」です。「菊の節句」とも呼ばれ、菊酒を飲むなどして、無病息災や長寿を願います。「重陽の節句」は平安時代の初めに中国より伝わりました。古来中国では、奇数は縁起が良い「陽数」、偶数は縁起の悪い「陰数」と考えられ、陽数の最大値である「9」が重なる9月9日を「重陽」と呼び、節句の1つとしました。旧暦の9月9日は、現在の10月中旬ごろにあたり、まさに菊が美しく咲く時期です。菊は「仙境に咲く霊薬」として、邪気を払い長寿の効能があると信じられていました。
『源氏物語』で有名な紫式部は、自らの歌集『紫式部集』にこんな歌を詠んでいます。
「菊の花 若ゆばかりに袖ふれて
花のあるじに 千代はゆづらむ」
重陽の節句、平安時代には前日の9月8日に菊の花を真綿でおおって菊の香を移し、その翌日の朝に露に湿ったこの真綿で顔にあてて、長寿と健康を保とうとする行事がありました。これを「菊の着せ綿」といいます。
この日、紫式部は藤原道長の北の方、源倫子(みなもとのりんし)から菊の着せ綿を贈られて大変感激したようです。当時、綿は大変高価なもの。いくら道長の娘・彰子(あきこ)にお仕えしているといっても、自分には身分不相応と遠慮したのでしょう。
現代語訳「(着せ綿の菊の露で身を拭えば、千年も寿命が延びるということですが、)私は若返る程度にちょっと袖を触れさせていただき、千年の寿命は、花の持ち主であられるあなた様にお譲りいたしましょう。」とその着せ綿を丁寧にお返ししようとしたとのことです。