学校日記

校長室から<平成28年10月その2>

公開日
2016/10/11
更新日
2016/10/11

校長室から

https://edogawa.schoolweb.ne.jp/1310100/blog_img/2999047?tm=20240305134736

 三連休が終わりました。また元気な学校生活の始まりです。今朝は、ノーベル賞受賞に沸いた先週を思い出しながらの朝会講話でした。

平成28年度10月その2 
「ノーベル賞は顕微鏡から」
平成28年10月11日(火)


おはようございます。今日はここにある物を持ってきました。これは、何だか分かりますか?そうです。顕微鏡です。実は、この顕微鏡から研究を始めた学者が、先週ノーベル医学生理学賞を贈られました。知っている人も多いことでしょう。確か昨年も同じような話をした覚えがあります。それにしても日本人の連続してのノーベル賞受賞は、大きな誇りを感じずにはいられませんね。

さて、今年ノーベル賞を受賞したのは大隅良典(おおすみよしのり)さん。オートファジー(自食作用)の仕組みの発見という研究が認められての受賞でした。大隅さんのインタビューやお知り合いの方々からのエピソードを聞いていて、とてもおもしろいなあと思ったことがありました。是非皆さんに伝えたいと思うエピソードでしたので、今日はそのことについてお話します。

 ノーベル賞は世界的にも大きな賞です。誰でもとれる訳ではなく、研究者の憧れの賞であることには間違いはないでしょう。大隅さんも少年時代の夢であったと語っていました。その大隅さんが、このようにおっしゃっていました。その言葉がとても心に残ったのです。
「人がやらないことをやろう。」
「人がやっていないことをやる方が楽しい。」
「人と同じことをやってもしょうがない。」
これらの言葉を聞いて、すごいなあと思いました。今の時代は、人と同じことをやることが求められているというか、時代がそのような流れの中にあるような気がします。そのような時代にあって、人と同じことではないことをしようと思う。この考え方はすごいなあと思うのです。このような柔らかな、ある意味強い発想が、科学を動かすのでしょうね。今日は皆さんにぜひそのような発想・考え方を伝えたいと思いました。他の研究者が見向きもしなかったテーマにこだわる精神が、ノーベル賞受賞という大きな実を結んだと言います。そして、大隅さんはこうもおっしゃっているのです。
「私の歩んだ道は細い細いものでしたが、本当に小さな発見が大きなうねりに育つことがあります。」
と。
 

そして、研究のスタートは顕微鏡観察だったそうです。(先ほどの顕微鏡を取り出す。)
大隅さんは世界で初めてオートファジーを光学顕微鏡で観察したのです。研究室で一人、酵母を顕微鏡で見ていた時の成果だそうです。
「現象そのものを大切にする。自分の目で確かめる。生物学の王道だからです。」
とも言っています。この自分の目で確かめる。ここにも大隅さんの研究者としてのゆるぎない信念を感じることができます。

 多分大隅さんは、飽きることなくいつまでもいつまでも顕微鏡を覗いていたのだと思います。夢中になって覗いていたのでしょう。顕微鏡と共に歩んだ研究生活です。

今、皆さんは、そのように夢中になれるものがありますか。
打ち込めるものがありますか。

そして、大隅さんは言いました。
「人のやらないことをやろう。」
と。

今日は「ノーベル賞は顕微鏡から」という話をしました。

センター記事

カレンダー

2024年7月

1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31

週間予定

予定はありません

RSS