学校日記

校長室から<平成28年11月その4>

公開日
2016/11/29
更新日
2016/11/29

校長室から

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校庭の銀杏の木々が見事に色づいています。
月曜日の朝会では、世界に目を向けた題材から「言葉の力」について話しました。

平成28年度11月その4
「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」
平成28年11月28日(月)

おはようございます。今日は、一つのお話を皆さんに紹介したいと思います。それは『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』という本です。(本を見せる。)
この本を知っているお友達もいるかもしれませんね。世界で一番貧しい大統領からのメッセージがこの本にはつまっています。最初の部分を読んでみます。

 2012年、ブラジルのリオデジャネイロで国際会議が開かれました。環境が悪化した地球の未来について、話し合うためでした。
  世界中から集まった各国の代表者は、順番に意見をのべていきました。しかし、これといった名案は出ません。
  そんな会議も終わりに近づき、南米の国ウルグアイの番がやってきました。

  演説の壇上に立ったムヒカ大統領。質素な背広にネクタイなしのシャツすがたです。そう、かれは世界でいちばん貧しい大統領なのです。
             (  中  略  )
  さて、ムヒカ大統領の演説が始まりました。会場の人たちは、小国の話にそれほど関心をいだいてはいないようでした。しかし演説が終わったとき、大きな拍手がわきおこったのです。
       『世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ』(汐文社版)より抜粋

初めは小国の大統領のスピーチだとして注目もされなかったのに、スピーチが終わった時には拍手喝采に包まれたと言います。いったいムヒカ大統領は何を語ったのでしょうか。
ムヒカ大統領の言葉には、このようなものがあります。少しだけ紹介します。
〇目の前にある危機は地球環境の危機ではなく、わたしたちの生き方の危機です。(P12)
〇わたしたちは発展するためにこの世に生まれてきたのではありません。
この惑星に、幸せになろうと思って生まれてきたのです。(P14)
このような言葉がスピーチとなって、人々の心をとらえたのでしょうね。この本はいつものように校長室前に置いておきますので、手に取って読んでみてください。特に高学年の学級ではこのことについて是非話合いをしてほしいと願っています。

 さて、ムヒカ大統領は小さな国の大統領でした。皆さん、逆に大きな国と言ったらどこの国を思い浮かべますか。(子どもたち、口々に「アメリカ」「中国」「ロシア」などと言っている。)そうですね。大きな国の一つアメリカで、つい先日次期大統領選挙が行われました。テレビでその模様を見たことがある人も多いと思います。トランプ氏とクリントン氏の大接戦となった大統領選挙でした。結果については、様々な考えがあるのでここでお話することはしません。ただ校長先生が取り上げたいのは、選挙戦における双方の話し方のことなのです。この選挙戦は罵倒合戦の様相を呈しました。互いが互いの欠点や弱みを批判し、こけ落とす選挙戦となったのです。この状態を見てよしとしない人は世界中に多かったのではないでしょうか。校長先生もこの選挙戦に潔さや清々しさのようなものを感じることが到底できませんでした。


 小さな国の大統領のスピーチが各国の代表の心をつき動かしました。
大きな国の大統領選挙のスピーチは各国の人々の心をあまりとらえませんでした。
むしろ嫌悪感さえ引き起こしました。
同じ言葉です。言葉は人の心をとらえもし、離しもするのです。
江戸川小学校の皆さんには、言葉で人の心をとらえられる人になってほしいです。
校長先生はそのような願いを強くもっています。
言葉は決して人を攻撃するためにあるものではありません。
でも、人の心を感動させることができます。
そのようなことの方が絶対的に多いことを心から信じています。

 これで、今日のお話を終わります。

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