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「字を書くのがめんどくさい」の本当の理由

公開日
2025/11/25
更新日
2025/11/25

ことばの教室



「字を書くのがめんどくさい」と言う子、身近にいませんか?

宿題をやりたがらない、ノートをとるのを嫌がる、テストも「とりあえず終わればいい」とばかりに適当に済ませようとするといった子ども達の姿を見ると、「やる気がないのかな?」と思ってしまいがちですが、実はそこには、もっと別の理由が隠れているかもしれません。

よく観察してみると、書くことそのものに苦手意識を持っている子が多いことに気付きます。字を書くには、鉛筆をしっかり持ち、紙を押さえ、間違えたら消す…という一連の動作が必要です。これらはすべて、手指の細かい動き=「巧緻性」が関係しています。

例えば、消しゴムでうまく消せない子は、紙がしわになったり、消し残しがあったりすると、間違えること自体がストレスになってしまいます。そうなると、「どうせ間違えるなら書きたくない」と感じてしまうのも無理はありません。

でも、これは「やる気がない」のではなく、「手指の発達がまだ追いついていない」だけかもしれません。
書くことや消すことに必要な力は日々の遊びの中でも育てることができます。

家庭でできる、手指を育てる遊びの例
  ねんど遊び:こねる・丸める・ちぎるなどで、手全体の筋力や指先の感覚が育ちます。
  シール貼り :小さなシールを台紙に貼るだけでも、指先の細かい動きや集中力が養われます。
  折り紙 :折る・合わせる・しっかり押さえる等、たくさんの動作が詰まっています。
  ぬりえ:鉛筆を細かく動かしたり、力加減を調整したりする練習になります。


また、折れにくくて消えやすい消しゴムを選ぶだけでも、子どもにとっては大きな助けになるかもしれません。

「めんどくさい」の奥にある「できない」や「苦手」に気付いてあげることが、子どもたちの「書く力」を育てる一歩になるのかもしれません。