学校日記

野球部 都大会二回戦 VS 日大二中

公開日
2024/07/31
更新日
2024/08/06

部活動

令和6年度 夏季総合体育大会 野球部 東京都中学校総合体育大会 野球 二回戦 小松川中学校 対 日大二中(杉並区) @上井草総合スポーツセンター野球場 令和6年7月23日11:30PB


炎天下の上井草総合スポーツセンター野球場で行われた二回戦、対戦相手は東京都の春季大会、選手権大会(夏季)、新人戦(秋季)で通算7回の優勝を誇る名門日大二中だ。最後の優勝は平成29年の春季大会だが、毎年確実に都大会上位へと駒を進める強豪校だ。前日22日に行われた一回戦では東村山七中を15-8の5回コールドでねじ伏せて上がってきた。そのスコアを確認してみると初回5点、二回6点と打線が爆発している。その後3回からは逆に8点を失点し12-8まで追い上げられている。後半に勝機があるかもしれない


上井草総合スポーツセンター野球場はサッカー場としても使用するため人工芝を採用。ベースの周り以外は内野も人工芝が敷き詰められている。(サッカーで使用する際はベースの周りにも人工芝が置かれる)そのため炎天下での照り返しがありグランド上は40℃を超えていたのではないだうろうか。対戦相手と言うよりもこの暑さとの戦いが勝敗を分けそうだ。


マウンドには小松川中のエースNo.1があがり立ち上がり若干制球に苦しむ場面もあったが、前日の好投そのままに順調な立ち上がりを見せ二回をゼロ封。打線は日大二中のコースいっぱいに投げ分ける投手に翻弄され見逃しの三振を奪われるなどなかなか波に乗れない。3回に入りいつもより早くエースの帽子が横を向き始めギアがあがった。暑さによる体力の消耗はベンチにいてはわからない。熱投派のNo.1の首筋に汗が流れ落ちる。連投の疲れなのかボールが高めに浮き、そのボールを強打されランナーをためる日大二中。2点を奪われなんとか後続を断ち3回を終わって0-2リードを許す。小松川中の反撃が期待された4回表相変わらずのコーナーワークに的を絞り切れない。見逃し三振、思わず天を仰ぐ。


4回裏、NO.1の投球フォームに変化がみられる。上体が前のめりになり、下半身との連携が切れてきた。置きに行ったボールにはスピードも威力もなく難なく強打される。右中間に飛んだ打球は長打コース、走者一掃のランニングホームランかと思われたがサードを守るNo.5がこれを阻止した。ランニングホームランを狙ってトップスピードで三塁に駆け込んでくる日大二中に選手を見るや否やNo.5は大きく手を上げまるでライトからのボールが返球されているかのような演技をする。それを見たランナーは三塁でストップ、No.5はタッチをする振りをした。実際にはボールはまだ二塁手に戻ってきただけであり十分にホームランになった打球であった。今年の小松川中学野球部の選手たちは野球偏差値がかなり高い。昨年の秋からもなんどかこういった頭脳プレーを見せてくれた。隙あれば二塁を狙う走塁や、今回のような敵を欺く守備が相手に与えるダメージは大きく流れを引き寄せてくれる。


それでも4点を失い0-6、6点差は大きな差だが小松川中野球部にとっては逆転できない点数差ではない。今までもこの点数をひっくり返したゲームはたくさんある。5回No2がマウンドにあがる。最初の打者から三振を奪う。落ちるカーブ(スライダー?)が今までにない角度で落ちているのがわかる。ボールが走っている、速球は魂が乗り移ったかの様に打者の内角をえぐっていく。日大二中に打者の顔色が変わる。彼の縦に落ちるカーブは比較的真ん中に入っていく傾向があったが、この日の彼のボールは渦を描くように内角をかすめて落ちていく。この回のアウトをすべて三振で奪い流れを一気に手繰り寄せた


5回の表小松川中の打球が前に飛び始めた。日大二中の投手にも疲労の色が見える。(相手応援席やベンチで得た)情報では控え投手はまだこの場面では登板できるほどの実力はないらしい。甘いコースに来た打球を見逃さない。今までとは違った感覚が打線に宿っている。選手たちの瞳の奥にやる気が戻っている。こんなところで負けてはいけない。5回ランナーを返すことができずに0点。その裏をNo.2がまたまた圧倒的な投球で抑える。フォークかと思うような角度で落ちるボールに相手打者は手も足も出ない。(実際彼のボールの握りを確認してみると何度かフォークの握りだったことがある。実戦で使ったのか確認してみたい)


さあ、反撃開始だ5回に2点を取り6回にもランナーをためていく。そして二年生の代打が送られた。緊張感が伝わってくる。ここで打てば試合の行方はわからない。炎天下の彼の周りだけ気温が下がった様な表情で打席に向かう。右打者の彼がベンチに指示を仰ぐ。打てのサインピッチャーをにらみつける。三年生と同じグラウンドに立てるのもあと数試合。今日で終わりにしたくない。彼の表情からは複雑な思いが感じられる。しかしそれを相手の投手も感じていたはずだ、精神的に優位に立ったピッチャーが打者を追い込んでいく。アウトカウントが一つ増えてしまった。


上位打線に戻った小松川中、しかし相手投手が最後の力を振り絞って立ち向かってくる。ゲームセット。6回1点を追加するものの3-6で都大会二回戦で三年生の戦いは終わった


新設校二年目、昨年の夏の大会では3種類の異なったユニフォームがチームを構成した。旧小松川一中、旧小松川三中のそれと新生小松川中のユニフォームだ。今年は始めて同じユニフォームで戦ってきた。チーム内の軋轢もなかったと言えばうそになる。人知れず涙した部員もいる。家での自主練に明け暮れた部員もいる。徐々に出来上がっていくチームを陰で支えてくれた家族がいる。そして彼らは今日初めてチームになった。試合後の柿沼先生の話の中に「これからもずっと付き合っていける友達、仲間になって欲しい。それが絆と言うものだ」と言葉があった。


小松川中学校 野球部 TEAM 2023-2024 は今日で解散となった。しかし、君たちの未来はこれからも続く。別々の道を歩くことになっても今日のこの日の戦いはきっと忘れないだろう。そしてその思いを後輩たちに伝えて欲しい。それが伝統を築き、絆となっていくのだから


「いくぞ コマ中!! 野球部 !」


※ 同日行われた二回戦で上一色中は24-1のコールドゲームで圧勝、準々決勝も19-1で東海大菅生に大勝、しかし準決勝で修徳に敗れ関東大会を逃した。

※ 日大二中は三回戦で駿台学園(8-0)にコールド負け、その駿台学園が決勝で修徳を破り優勝した。

※ 8月6日加筆訂正




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