学校日記

6月23日全校朝会「うそつきの友ちゃん」

公開日
2025/06/23
更新日
2025/06/23

校長室より

◎今日は、「うそつきの友ちゃん」の話をします。昔から、サーカスや不思議な手品とか超能力の番組が好きでした。中でもユリ・ゲラーやその後のミスターマリックなどに興味がありました。友ちゃんが3年生の頃の話をします。

・ある日、友ちゃんはお母さんとお兄ちゃんと一緒にこたつに入って、テレビを見ていました。友ちゃんが大好きなユリ・ゲラーが得意なスプーン曲げをしていました。口を大きく開けて見ていた友ちゃんは、「すごい。不思議。」と驚き、お母さんもお兄ちゃんもびっくりしていました。

・友ちゃんは「自分にもできないかな⁉」と、キッチンへスプーンを取りに行き、まねをしてみました。何度も心を込めて「すぷーんよ、曲がれ。スプーンよ、曲がれ。」と何度もスプーンをこすっても曲がりません。

・友ちゃんは、ついにこたつの中にスプーンを隠して、ぶにゅーっと曲げてから、「あっ、曲がった。スプーンが曲がった。」とうとうやってしまいました。

・その瞬間、お母さんもお兄ちゃんも「すごいな。」「友ちゃんも超能力すごいな。」とすっかりと信じ込んでしまいました。「本当は嘘です。手の力でぐいっと曲げてしまいました。」と言いたいけど、今さら言えません。僕は嘘つきや。

・昔から、「嘘つきは泥棒の始まり」と言われているけど、僕も泥棒になるのかな。やっぱり本当のことを言おう。と思っていたけど、「友ちゃん、また超能力を見せて。」と何度も言われ続けて、返す言葉は、「ごめんなさい。」ではなく、「超能力は疲れるから、また今度。」「超能力は、もうしたくない。」

・大好きなお母さんやお兄ちゃんに本当のことを言い出せず、噓をついて生きるのは辛い。でも後になればなるほど、ますます本当のことは言い出しにくい。心の中では、何度もお母さんやお兄ちゃんに「ごめんなさい。」とお詫びしたいのに、いつまでも言えない友ちゃんの気持ちは分かりますか?(少数の児童がうなずく)

◎その後、どうなったかというと、「ごめんなさい。」と言えたのは20歳の頃でした。10年間もあんな嘘をつき続けるのは、もうごめん。本当に苦しかったです。