３．１１
- 公開日
- 2020/03/11
- 更新日
- 2020/03/12
できごと
東日本大震災から９年がたった。私は６年の担任だったが、６時間目の授業中に教室が大きく揺れた。それまでの地震では机の下に避難した児童の様子を見ていたが、このときは自分も机の下に避難した。机の脚につかまっても倒れそうになるほどの揺れだった。泣いている児童もいた。校庭に避難したが、みぞれが降りそうなほど寒く、余震の続く中、教室に戻るしかなかった。迎えにきた保護者に児童を引き渡したが、職場から何時間も歩いて児童を迎えにきた保護者が大勢いた。児童全員を引き渡し、家に帰れる教員は帰ったが、家に帰れない教員と管理職は、学校に泊まった。そんな中、一人の保護者が「先生たちが大変だと思って」と、たくさんのおにぎりを差し入れてくれた。その方はマンションに住んでいて、「家の中が、めちゃくちゃです。」と、苦笑いしながら話してくれた。
新型コロナウイルスの流行で、マスクやトイレットペーパーを高額転売する人や、車内でせきをしたことでケンカになる人がいる。震災の被害と比べることではないが、私たちはまだ多くのものを失ったわけではない。街中も春の暖かな景色が広がっている。３．11が来ると、おにぎりを差し入れてくれた保護者を思い出し、私もそういう人になりたいと思う。
篠崎第四小学校長 景山 賢治
