学校日記

少年よ 小さくかたまるな

公開日
2015/10/20
更新日
2015/10/20

校長室より

 校長室の椅子に座っていると、校庭から部活動に勤しむ生徒たちの声が響いてきます。一所懸命(?)に勉強した後の部活動は若さを発散させるのに絶好の時間だと思います。
 ふと頭の中に「少年よ 小さくかたまるな 動きがとれなくなる」という言葉が通り過ぎていきました。私が中学校1年生の時の国語の教科書にあった詩だったように思います。何十年ぶりでしょう、この言葉を心に甦らせたのは!? 断片的な記憶はあるもののそれはほんの一部分で全体を知りたい衝動に駆られました。そこで、いつものようにインターネットの力を借りて、やっとたどり着くことができました。サトウハチローさんの詩でした。「そうだ、そうだ、こんな詩だった!」と一人で自己満足に浸ってしまいました。著作権の関係もあるので、ここには載せることはしませんが、興味のある方はぜひご覧になっていただきたいと思います。内容は、「少年よ、危険を恐れてちぢこまっていては何もできないぞ!少々のけがなど気にせずに冒険心をもっていろいろなことに挑戦し、充実した毎日を過ごせ!」という「少年」に向けたエールです。読んでいて、この「少年」は「少女」にも「中年」にも「老人」にもそして「人間」にも読み替えることができるものだと思いました。久々にこの詩に触れて、本当に嬉しく、「少年」ではなくなった私の胸の中にも勇気がもくもくと湧いてきました。
 私は、柔道をずっとやってきました。その間数えきれないくらいのけがもしました。骨折や脱臼、捻挫、肉離れ……、何か月も病院に通ったこともあります。正直なところ、柔道は危険なスポーツだと思っています。しかし、危険だからこそ自分と相手の「安全」についてしっかり考える習慣が自然と身に付きました。何度もけがをしましたが、柔道を続けてきたことには誇りはあれど後悔はありません。ですから自分の息子や娘にも幼いころから柔道を習わせました。それだけ柔道の素晴らしさを実感していたからです。
 最近、運動会の組体操はやるべきでない、ムカデ競争は危険だ、という新聞記事を読みました。多くの児童・生徒がけがをしている実態があるようです。確かに「無謀」なことは良くありません。生徒の安全を二の次にして、カッコよさ、自己満足だけを追求させるような取組は言語道断だと思います。しかし、専門の教員が安全に十分配慮しつつ、生徒たちの心身の育成を計画的に行ったうえで、生徒たち自身が「事故が起こらないようにみんなの安全を考え、必ず成功させる」という強い自覚をもって競技に臨むのならば少々の心配があっても私はやらせてあげたいと思っています。そういう取組の中にこそ「伝統」や「歴史」が築かれ「感動」や「自信」が生まれてくると信じるからです。
 スポーツの秋、生徒たちの元気な声を聞いて、私も久々に体を動かしたくなってきました。

    少年よ 小さくかたまるな 動きがとれなくなる!!

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