Exciting MJB & DEO
- 公開日
- 2011/07/20
- 更新日
- 2011/07/20
できごと
7月16日(土)今日はデュークエリントンオーケストラが瑞江中吹奏楽部(MJB)30名と同じステージで,演奏させていただける日です。一週間前、教えていただいたことをきっちりチェックし練習を重ねてきました。「今度あなたたちと会うときは、確実にもっとうまくなっているでしょう。」と激励の言葉をかけていただき、お別れしたのでそれぞれがプレッシャーを感じながらの毎日の練習だったはずです。が、実のところ夢のような現実にぼんやりしていただけのような感じもありましたが。とにかくこの日を迎えたわけで、朝から何となく落ち着きません。猛暑の一日、土曜授業の日でした。
実は顧問は昨晩サントリーホールへ鑑賞に行ってきていたのです。個人のテクニックのすばらしさは言うまでもなくさすがですが、様々な音色で彩られた絶妙なアンサンブルにすっかり魅了されました。これぞデュークエリントンオーケストラ、世界中のジャズファンを虜にするサウンドです。魅惑的で、情緒的、そして挑戦的で攻撃的、実に沢山のニュアンスに彩られ、ますます大ファンになりました。勇気づけられ、心癒され音楽の奥深さを痛感しながら、この方々とご一緒させていただける幸せをかみしめ、新たな喜びを抱きながら今日の日を迎えました。
授業終了後、出発は急がせたつもりだったのですが、上級生が遅れ、下級生は律儀にそれを待っていたとのことでそこから私たちの数々の失敗が始まりました。
「私の楽器がない」体調不良で朝の練習に来なかった生徒の楽器が運搬されていませんでした。本人は頼んだつもりで安心して来たのですが、どうやら仲間は他人のことまで気を遣えないほど舞い上がっていたようです。遅刻した生徒は到着するなりめそめそ泣いていました。「ママが車で来ているから,一緒に学校まで取りに帰りなさい。」と静かに言うしかありませんよね。
「忘れ物しないでよ」朝から結構しつこく行っていた言葉でした。多めに持っていってもいいから、持ってこなかったと言うことは絶対にないように。経験から打楽器類の小物やこういう時になぜか起きる楽器の不調、「修理用品や予備は持っていて良かった」が多いのです。早速「Drs.は生徒さんが叩いて下さい。(共演時)」に対し、青くなる場面が。「Drs.
の生徒が叩く予定ではなかったのでスティックを持ってこなかったのですが、貸していただけますか?」マーティ・モレル(Drs.)氏にそう伝えると、親切なことに生徒にスティックを下さいました。忘れ物をした人が得するのは間違っているでしょう。忘れ物は良くない、という教えに反するので、顧問もかなり負けず嫌いなところを見せ「私もDrs.をやっています。」(真実)と言ったら“Excellent!”となんと使用中のスティックを下さいました。超レアなお宝、いただき、顧問の説教も強制終了。逆にご機嫌スイッチが入りました。
さて、いよいよリハーサルの開始です。最初はDEOだけでサウンドチェック。ツアーで慣れているのか,実にあっさりしたものです。「DEOのA列車で行こうです。」洗練されていてかっこいい演奏に、生徒はまさに金魚のごとく口をぽかんと開けて聞き入っていました。そしていよいよ共演へ。たった一回きりの奇跡の瞬間です。打ち合わせがすみ、いよいよ演奏です。リーダーのトミー・ジェイムス氏に「イズミ、マエストロ(名指揮者)」と指名され一気にテンションアップ。DEO&MJBによる「A列車で行こう」です。指揮者の特権は,みんなの表情を見ることができること。生徒は緊張の様子でしたが、DEOのメンバーは優しく「キッズ頑張るねえ」と見守って下さっている感じでした。ステージ上の大きなデュークエリントンの写真を見ながら、デュークが今ここにおりてきている、とそんな感じさえました。私たちは5分足らずの奇跡にとても幸せな気分でいっぱいになりました。
その後記念撮影、交流をさせていただき夢のような時間は終わりました。自分がリーダーのトミーさんに挨拶に行くと「Great Sensei Izumi」の称号をいただきました。これからの自分は「GSI」でいきます。またとても熱心に教えて下さったボビー・ラヴェール(T.Sax.)氏、彼も子どもたちに音楽を教えていらっしゃいます。「教えるという仕事は大変素晴らしいと思っている。自分も小中学生に教えているから,この大変さはよくわかります。いずみはすごくよくやっていると思う。」とお褒めの言葉をいただきました。「自分はバンドだけじゃなくて,授業ではコーラスもやっています」と言ったらすごく驚かれ、「なんと。自分もそうなんだよ」と気の合うところでハグまでしました。ますますご機嫌で「また今度一緒に演奏できることを願っているよ。」とお別れしました。
なんだかんだでこの後も体調を崩した生徒が出て、病院へ行き点滴を打ち、一日が終わったのは日付が変わる直前でした。長い一日、書けないこともたくさんありましたが、実に面白い一日にはなりました。
関係者の方々に「お世話になりました。」とご挨拶をいただくのですが,とんでもありません。こんな素晴らしい機会をいただけたことに対して、もっと深い感謝の気持ちでいっぱいなのは私たちの方です。「子どもたちに心に残る財産をあげられたら」と言って下さったスタッフの方々には私たちがさらに技術、心を磨き素晴らしい音楽ができるようになってお返しをすることだと思っています。MJBはこれからも進化し続けます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。そして本当に本当にありがとうございました。
最後に学生諸君。私はいつもこんな機会に恵まれて,それでも悔しい思いになります。それはずばり語学力です。どうにも伝えたいことが伝えられないもどかしさ。そこで今一歩踏み込んだ話ができない情けなさ。やっぱり若いうちにお勉強しておきなされ。
文責 MJB顧問 近藤 泉
私は昨日、すごく嬉しかったし、緊張しました。8日も嬉しかったけど、昨日はすごく嬉しかったです。最初決まったときは、誰だかわからなかったけど8日に会ったとき「こういう人なんだ」「かっこいい」「いつかこんなすごい人になりたいなあ」と思いました。DEOの人たちの演奏はすごく大きくきれいな音で,強弱もはっきりしてすごいと思いました。私もいつかこんなすごい音で演奏したいなあと思いました。
その後先週瑞中に来てくれたラヴィさんたちと共演です。こんな神様みたいな人たちと演奏できることもすごいのに、教えてもらえるのも大変なことだと思いました。ラヴィさんが「このミュートいいね。グッド!」と言ってくれました。(注・私たちはミュートをなんと味噌汁のお椀で代用しています。このことをほめて下さいました。)ラヴィさんが私のミュートを使ってトランペットを吹いてくれました。何でこんなこともしてくれるんだろうとか、こんなに優しいのかと思いました。きっとデュークエリントンは優しかったからDEOのメンバーもこんなに優しいのかなと思いました。共演が終わって,ラヴィさんが「うまいね。グッド!」と言ってくれて私は本当に本当に嬉しかったです。
1年 トランペット 岩本 明香
一週間前DEOのメンバーが教えに来て下さったとき,プロの演奏を聴いてびっくりして言葉になりませんでした。「一週間後こんなすごい人たちと演奏できるなんて夢みたいだ」とその日が待ち遠しかったです。その日は朝からどきどきわくわくで,その日の授業に全然集中できませんでした。
いよいよ共演です。客席に座っているときだんだん緊張してきて、心臓がばくばくでがちがちで全然余裕がありませんでした。ステージに上がるときも、がくがくに震える足が重く感じました。どうすればいいかわからなくてずっとおどおどしていました。先生が指揮を振って曲が始まった。一番最初の音がしっかり出なくて「あ、やっちゃった」と思っていたとき,隣でメンバーの方がすごくきれいな音で、しかもなんだか楽しそうに吹いていて私もなんだか楽しくなってきて、自分も楽しんで吹くことにしました。あんなに吹くのが楽しかったのは初めてでした。
今回人生でなかなかできない貴重な体験ができてほんとうによかったです。このまま「すごかった」で終わらないように、これからに生かしていきたいです。
2年 アルト・サキソフォン 吉田 汐織
7月8日にDEOの皆さんに瑞中に来ていただき,一緒に曲を吹き、沢山のアドバイスを教えてもらい貴重な体験をしました。さらに16日メンバー全員と共演できることにもなり、私たちは本当にすごい人たちと共演できて、幸せでとても光栄に思っています。DEOの皆さんはとても笑顔で,本当に楽しそうに演奏していて,見ていて私たちも楽しくなるし,沢山笑わせてもらいました。音自体ものすごくて、体の芯から芯まで音が伝わってきてとても感動しました。共演しているときは本当に奇跡だとしか思えなくて、嬉しい気持ちもあったけど緊張しまくりでした。だけど精一杯できて楽しめたのでよかったです。この貴重な体験は私の宝物になりました。
この体験を大切にして、学んだことを無駄にしないで練習に役立てていこうと思いました。まずは練習をたくさんし、今よりもっと上手になりたいと思いました。こんな貴重な体験をさせていただき,本当にありがとうございました。
3年 ホルン 清水そら