【3年6組国語】名作「握手」を通して学ぶ、心と心の交流
- 公開日
- 2026/05/15
- 更新日
- 2026/05/15
授業の窓
3年生の国語の授業では、井上ひさしさんの小説『握手』の学習が行われています。長く愛され続けているこの作品は、児童養護施設で育った「私」と、かつての恩師であるルロイ修道士との再会と別れを描いた物語です。
授業では、物語の鍵となる「ハンドサイン」に注目しました。ルロイ修道士が使う「幸運を祈る(中指と人差し指を交差させる)」や「よし、最高だ(親指を立てる)」といった動作を、生徒たちも実際に自分の手で再現してみました。文字で読むだけでなく、実際に身体を動かすことで、言葉以上に雄弁に語るルロイ修道士の深い愛情や、相手を思いやる温かな心を感じ取っている様子が印象的でした。
特に生徒たちの心に響いたのは、ルロイ修道士が遺した「困難は分割せよ」という言葉です。どんなに大きな悩みや壁も、小さく分ければ一つひとつ乗り越えていける――。卒業を控え、それぞれの進路に向き合う3年生にとって、この言葉は単なる物語の一節ではなく、自分たちの背中を押してくれる力強いメッセージとして響いたようです。
また、作中に登場する「3回の握手」の変化についても深く読み解きました。中学時代の万力のような力強い握手から、再会時の穏やかな握手、そして最後、別れの間際に「私」から差し出した激しい握手へ。その変化の裏にある、師弟の絆や感謝、そして「先生、頑張って」という励ましの気持ちを、生徒たちは丁寧な発話分析を通して明らかにしていきました。
生成AIなどの技術が進化し、便利な世の中になっても、誰かの手の手触りや、視線の温かさ、そして行間に込められた微細な感情を読み解く力は、人間にしかできない大切なものです。ICTを手段として活用しながらも、こうした「人間ならではの力」を育む学びを、本校ではこれからも大切にしていきたいと考えています。