「まだ」の力
- 公開日
- 2020/05/29
- 更新日
- 2020/05/29
できごと
「無〜理〜!」「絶対できない」
新しい運動に挑戦するとき、難しい問題に取り組むとき、子供がこう言うのを聞いたことがありませんか?そんなとき僕は、「まだ無理、でしょ?」「まだできない、でしょ?」と声をかけることが多いです。
こんにちは、北川です。今日のテーマは「マインドセット」。心のもち方についてです。さっそくですが、心のもち方(マインドセット)には2種類があるそうです。
1.硬直マインドセット
自分の能力は固定的で変わらないと信じている
2.しなやかマインドセット
自分の能力は努力しだいで伸ばすことができると信じている
同じ難しい問題に取り組んでも、「どうせ自分にはできない」と思うのか、「努力すればできるようになるはずだ」と思うのか。どちらが好ましいかは一目瞭然です。硬直マインドセット→しなやかマインドセットに変えることができれば、たくさんのプラスがあります。変える。そう、変えることができるのです。
「しなやかマインドセット」になるためのポイント
・過程と努力を褒め、“まだ”
の声かけを。テストやスポーツにおいて、重視すべきは結果や能力ではなく、過程と努力です。結果はどうあれ、その点をまず褒めてあげましょう。そして、望んだ結果が出せなかったときは、「今回は
“まだ” できなかったけど、次があるね」と声かけを。そして、「次はどうしたらいい結果になるかな?」と考えたり、話し合ったりすることも大切です。
『あなたは、頭がいいからできるでしょ』というような励まし方はいけません。『それを成し遂げるだけの努力が足りなかった』というよう言葉をかけることがいいのです。
・知能や才能ではなく、努力を褒める。例として書かれている褒め方は、このようになっています。『今日は随分長い時間、一生懸命に宿題をやっていたな。集中して終わらせることができて偉いぞ』と言った感じです。褒めるときは、子供自身の特性ではなく、努力をして成し遂げたことを褒めるようにしてあげてください。
・我が子の前で、他の子を『天才』とか『生まれつきの才能』などの評価をすることは、子供自身が自分と他者を優劣で見るようになるので、気をつけてください。子供が、硬直マインドセットに引っ張られます。
・人に我が子を褒められた時に、謙遜して『うちの子なんか…』というように言うのもダメです。ただ、『ありがとうございます』と言ったらいいのです。
発明家のトーマス・エジソンは「私は失敗したことがない。ただ1万通りのうまくいかない方法を見つけただけだ」と言っています。歴史的人物でもスポーツ選手でも、興味を持った人の本を読むなどして先人に学び、自分のロールモデルを見つけられるといいですね。小さいお子さんの場合は、「こんな人がいたんだよ」「こんな考え方をしていたんだね」と、偉人たちの成功への道のりをかみ砕いて説明してあげましょう。
マインドセットは自分で変えることができます。性格だと思って諦めていたことも、マインドセット次第で変えられるかもしれません。しかし、元陸上選手の為末大さんも言っていますが、“マインドセットを変えること”
は “自分の世界観を変えること”
で、想像以上に大変です。だからこそ、まだ頭が柔軟な子供の頃からいいマインドセットをもてるよう、大人の導きが必要なのだと思います。
「失敗は成功のもと」、昔からあるこの言葉の深さを感じますね。
引用、参考文献
『マインドセット:「やればできる!」の研究』 キャロル・S.