学校日記

5月9日 発達性読み書き障害(LD)の学習支援

公開日
2022/05/11
更新日
2022/05/11

できごと

 発達性読み書き障害(LD)という言葉を御存知ですか?

 発達性読み書き障害とは、知的発達や聴覚、視覚に感覚障害がなくとも、文字がなかなか習得できない障害のことです。日本語話者では、約8%いると報告されています。努力しても文字の習得が困難で、周囲には「努力していない」と思われ、なかなか理解してもらいにくい障害です。

 海外の大学では、講義の資料をスキャンして音声化するシステムがあるところもあるそうです。では、日本の大学における発達性読み書き障害に対する援助にはどんなものがあるのでしょうか。
 例えば、聴覚障害であれば、手話通訳やノートテイク(要約筆記)のボランティアサービスが受けられます。ある大学では、大学の中で予算が組まれ、ノートテイカーの学生にはアルバイト料が出るそうです。
 また、視覚障害の学生には、あらかじめ講義の中で使用される資料を早めに該当学生に送っておいて、それを点訳(文字を点字に翻訳すること)したり拡大したりする仕組みが大学によってはあるそうです。
 いずれにせよ、ノートテイカーの学生がとったノート(実際にはパソコン画面が多いようです)は、聴覚障害の学生への合理的配慮だけではなく、発達性読み書き障害のある学生にとっても役立つと考えられています。発達性読み書き障害の学習支援として、レポート提出時の配慮や、英語学習への配慮に適用されることが期待されています。

参考文献: 宇野彰、千葉リョウコ『「うちの子は字が書けないかも」と思ったら〜発達性読み書き障害の子の自立を考える〜』(ポプラ社)

(文責 ことばの教室 きのした)