消えてしまった大鷲
- 公開日
- 2015/09/30
- 更新日
- 2015/09/30
できごと
今日の校長先生のお話です。
今から100年くらい前のインドに、翼を広げると2m50cmもある大鷲がいました。ある村に、外国から4人の若い旅行者がやってきました。若者たちは、緑に恵まれたこの土地がすっかり気に入り、村の人々もこの若者たちを大切に迎えました。
ある朝、若者たちが歩いていると、1羽の大鷲が、輪を描いて飛んでいるのが見えました。この辺りは、昔から鷲を神秘な鳥として、決していじめたり、殺したりしない、鷲の楽園と言われていました。
ところが、鷲を見た若者の一人が、いたずら半分で、銃を取り出し、鷲を撃ってしまいました。若者たちは大得意になりましたが、案内役の村人の顔からは明るさが消え、そんな様子を森の中から他の鷲たちが見ていました。
しばらくして、若者たちが自分の国に戻ると、村では大きな出来事が起こりました。すべての鷲が森から姿を消したことが始まりです。仲間が人間によって殺されたことを知り、去って行ってしまったのです。
鷲がいなくなったことによって、餌であるトカゲが増えました。そして、トカゲの餌である蛙はどんどん減っていきました。間もなく、蛙を天敵とするバッタが大発生し、バッタの大群は餌を求めて畑を食い尽くし、緑が消えました。そのため、多くの人が食べ物がなくて亡くなったり、食べ物を求めて村を捨て出て行ったりして、村はだれも住めない場所になってしまいました。
たった一人の良くない行動が、次々といろいろなことにつながり、このようなことをおこしてしまったのです。
このお話から、2つのことを考えられます。
まずは、自分では大したことはないと思っても、大きな事件・事故につながる可能性があるということです。自分がしたことの”後のこと”を、よく考えてから行動しなくてはなりません。
もう一つは、鷲だけでなく、ひどいことをすると、人も離れていくということです。ひどいことをされたら近づきたくないと、だれもが思います。
「消えてしまった大鷲」とは、“後のこと”をよく考えてから行動しようというお話、そしてひどいことをすると人が離れていくというお話でした。