ひまわり(弱視)

弱視通級指導学級 ひまわり教室

相談やお問い合わせは     TEL  03-3673-4665 (教室直通)
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お子さんがこんなことでお困りではありませんか?

  • 眼鏡をかけても前の座席から黒板の字が見えない。
  • 極端に目を近づけて、本やテレビを見る。
  • 画数の多い漢字や細かい目盛り、地図などを見るのが大変で疲れる。
  • 本を読む時、行をとばしたり読み違えたりする。
  • はさみを使うなど、手先の細かい作業が難しい。
  • 明るい所でまぶしがったり、暗いところで急に見えにくくなったりする。
  • 段差でよくつまずいたり、物にぶつかったりする。
  • ボール運動で、ボールがどこから飛んでくるか分からなかったり、恐がったりする。
このような行動は見えにくさのために生じていることも考えられます。
こうしたお子さんに、弱視通級指導学級での学習がお役に立てると思います。

「弱視」は視力が低いだけでなく、眼疾患によって違いますが、次のような「見えにくさ」を伴っていることも多くあります。
・ぼやけて見える。
・屋外や通常の室内照明では、まぶしすぎて見えにくい。
・夜や雨天時の夕方など、暗い所では極端に見えにくい。
・視野が狭い、または部分的に見えない所がある。
・視野の中心部分が見えない。
・ゆらゆら揺れて見える。
 中には、「黒板の文字は見えるのに、机上の教科書の文字やものさしの目盛りが見えにくい」というタイプもあります。遠視性の弱視とでもいえるでしょうか。
 通常の視力検査は、5メートルの距離からランドルト環の視標で測定します。これを遠見視力といいます。これとは別に、30センチメートルの距離で測定する検査があります。これによって得られる測定値を「近見視力」といいます。遠見視力だけでは、遠視性の弱視を見つけることができません。

 視覚障害でも、全く見えない「盲」の場合はすぐ分かりますし、特別な指導が必要だということは誰にも理解されやすいのですが、「弱視」の場合は、大まかな日常生活は何とかできているように見えるので、障害についての周囲の理解が得られにくく、特別な教育の必要性に気付かれないままになっていることがあります。
 しかし、ここで紹介するような弱視のお子さんのための指導を行うことで、お子さんの様子がきっと変わります。お心当たりの方がいらっしゃいましたら、一度相談の扉をノックしてみてください。

Q&A

Q1.いつできたの?

A.昭和45年に開設されました。

Q2.子どもや先生は何人いるの?

A.1年生から6年生までの合計の人数は、過去10年間で見ると多い年度で10名の児童数でした。年度の途中で児童が増えることがあります。随時入級を受け付けるためです。担任は現在2名です。

Q3.「通級」って?

A.児童はそれぞれ地域の小学校に在籍し、週に1〜2回小岩小学校のひまわり教室に来て学習します。学習内容や時間数は、お子さんの状態や保護者の家庭事情、在籍校の要請などを考慮し、個々の実態に応じて決めます。おおむね1回につき3〜6時間です。ですから、朝から直接小岩小学校に来て学習し、給食も食べ一日ひまわり教室で学習するケースもありますし、午前中にひまわり教室で学習し午後は在籍校に帰って授業を受けたり、逆に午後だけひまわり教室に来て学習したりというケースもあります。

Q4.うちの子、眼鏡とっちゃったら0.1もない近視なんだけど、対象になるの?

A.いいえ。近視などの屈折異常の場合で、眼鏡をかけて矯正視力がきちんと出ている方は対象になりません。眼疾患によりますが、眼鏡をかけても矯正視力が出ない、あるいは視野が狭いなどの視機能障害があって、日常生活で見ることに様々な困難があるお子さんが対象になります。

Q5.どんな学習をするの?

A.見えにくさからくる困難を克服していこうとする力を付けるための「自立活動」という特別な学習と、見えにくさのためにつまずきがちな教科学習の補充を行います。具体的には次のような学習です。

(1)視覚補助具を活用するための学習。
・遠用レンズ(離れたところにあるものを見るとき使う)
単眼鏡がその代表です。自分の座席から黒板の文字を読むときなどに使います。


・近用レンズ(手元のものをはっきり見るとき使う)
ルーペといっています。拡大倍率や形状など、様々なものがあります。小さくて見づらい文字を読むときなどに使います。


・拡大読書器
テレビのモニター画面に拡大して映し出します。レンズより高い倍率が得られます。最近では携帯型の拡大読書器も出てきました。


(2)見方を上手にする(視覚認知力を高める)学習や、目と手の協応動作を向上させ、手指の巧緻性を高める学習。
例えば、
  • はさみの使い方。紙の折り方。ひもの結び方。
  • 図形や絵の違い探し。図形の書き写し。色板やブロックでの形の構成。
  • 昆虫などの生き物や身近な植物の観察。
  • 理科との関連で、計測器具や実験器具の扱い方の練習。
  • 家庭科との関連で、縫い物やミシン操作、包丁などの調理器具の使い方の練習。
  • 図工との関連で、カッターや彫刻刀、のこぎり、金槌、電動糸のこぎりなどの使い方の練習。
(3)見えにくさのために、在籍校での教科学習でつまずきがちな内容についての学習。(教科指導の補充)

例えば、
  • 国語では、漢字の読み書き(とめ、はね、はらい等の細かい部分の確かめ)、文章を正しく読む学習。
  • 算数では、計量器具に関する学習(ものさし、はかり)、作図に関する学習(定規、コンパス、分度器)、グラフの読み取りと作成の学習。
  • 社会では、地図や資料を読み取る学習。
(4)運動に対する苦手意識をなくし、運動能力の向上を図る学習。
  • 弱視のお子さんは、幼い頃からの運動遊びの経験不足などのため、運動発達が遅れがちです。楽しく体を動かすことで姿勢や動作の改善を行ったり、バランス感覚や調整力を高めたりします。
  • 当たっても痛くない柔らかいボールを使ってボールゲームをしたり、バランス遊具を使ったりして運動に親しみ、運動への苦手意識を緩和します。
(5)自己の障害を受容していく気持ちを育てます。
  • 発達段階に応じてですが、自己の障害について理解し、受け止め、視覚補助具を恥ずかしがらないで進んで使おうとしたり、必要に応じて周りの人に自分の見え方を伝えたりできるように指導します。
  • 眼疾患によっては進行性の経過をたどり、医学的な治療や経過観察が必要なことがあります。視覚管理が大切であることを認識できるように指導します。

Q6.在籍校との連絡は?

A.ひまわり教室専用の連絡帳を使って、在籍学級の担任の先生や保護者と日常的に連絡を取り合っています。学年便りや学級便りの交換、電話やお便りによる個別の連絡も行っています。また、在籍校訪問を行い、授業を参観して学習活動の様子を知り、校長先生や担任の先生と話し合います。さらに、年度初めと年度末には、在籍学級の担任の先生と保護者、ひまわり教室の担任の三者で面談を行い、共通理解を図ることに努めています。
 在籍校からの要請に応じて在籍学級の児童たちを対象に「見えにくいって、どんなこと?」というテーマで、理解・啓発を目的にした出張授業を行うこともあります。言葉で説明するだけでなく、シミュレーション眼鏡をかけて体験学習を行うことでよりいっそうの理解が得られ、実施した学校の先生方から「とてもよかった」と言ってもらえます。

Q7.弱視通級指導学級って、たくさんあるの?

A.東京都の弱視通級指導学級は、次の12校に設置されています。

<小学校>
・葛飾区立住吉小学校 ・足立区立足立小学校 ・江戸川区立小岩小学校 ・江戸川区立第四葛西小学校 ・大田区立東調布第三小学校 ・世田谷区立笹原小学校 ・練馬区立中村西小学校 ・町田市立本町田東小学校 <中学校> ・練馬区立開進第三中学校 ・江戸川区立松江第一中学校 ・葛飾区立立石中学校 ※東京都以外の自治体では弱視学級のシステムが違うことがあります。

活動の様子

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