【終業式】校長先生のお話
- 公開日
- 2014/12/25
- 更新日
- 2014/12/27
校長のつぶやき
今日で二学期は終わりです。一人一人が成長した二学期だったと思います。
50年ほど昔、アメリカにボビー・ジョーンズというゴルフの選手がいました。ゴルフの世界4大タイトル(全英アマチュア、全英オープン、全米オープン、全米アマチュア)で優勝した人です。記録もさることながら、このボビー・ジョーンズというゴルファーはゴルフだけでなく、人格者として心が優れているということでも有名な人です。
1925年に行われた第29回全米オープンの試合中のことです。初日の第1ラウンド11番ホールで、ジョーンズは「アドレスの際、ラフにあったボールが動いた。」と自ら申告し、自分に1打罰を課しました。同伴プレイヤーのウォルター・ヘーゲンは「誰も見ていないので、自らペナルティを課す必要はない。」と進言しましたが、ジョーンズは「銀行で金を盗まなかったからといって誰も褒めない。ゴルファーとして当然の行為をしたまでです。」と正直に報告したのです。
結局、この1打で最終的にはウィリー・マクファーレンとのプレイオフとなり、1度目の18ホールのプレイオフでは決着がつかず、2度目のプレイオフの最終18番ホールでボギー対パーの1打差で敗れてしまいました。
ゴルフは審判のいないスポーツです。そして、お互いの心を信じあって競技を進めていくスポーツです。人は時として正しくないことをしてしまうときがあります。そのとき、嘘をついたり、言い訳をしたり、人のせいにしたりすれば叱られないかもしれないと思うこともあります。でも、そのうちに他の人には本当のことがわかってしまいます。いいえ、たとえ他の人に分からなくても、一人だけ「正しくない」・「嘘だ」と分かっている人がいます。そう、自分にだけは嘘はつけないのです。
いつも自分の心に向かって、
「誰が見ていなくても正しくないことをしてはだめ」と考えることが大切です。
明日から冬休みです。自分の自由になる時間やお金が増えます。お年玉をもらう子もいるでしょう。誰も見ていなくても「正しくないことはしない」でください。
・お金、物を盗ることは正しくない。
・万引きも正しくない。犯罪です。
・火遊びも犯罪です。正しくない。
・路上生活者をからかったり、ひどいことをしたりするのも正しくない。
・メールや、LINEなどで、人が傷つく言葉を送ったり、写真や動画を配信したりすることは大問題になる時があり、やってはいけない、正しくない。
いつも、自分の心に向かって「誰が見ていなくても正しくないことをしてはだめ」と考えることが大切です。
お正月は「正しい月」と書きます。正しいことをして、楽しい冬休みを過ごしましょう。
※ボビージョーンズの行(くだり)は、話の内容をわかりやすくするために、少しだけ加筆してあります。