油断
- 公開日
- 2017/01/23
- 更新日
- 2017/01/23
できごと
今日の校長先生のお話です。
寒い日が続いています。先週の1月20日は大寒でした。1年で一番寒い時期と言われています。そんな中でも梅の花が咲きだしました。きっと梅は、油断せず、準備をしてきたのでしょう。今日は、「油断」の話です。
油断とは、どういう意味でしょうか。大丈夫と思って注意せず、その結果、失敗したり、ひどい目にあったりすることです。
どうして油断というのでしょうか。基になった話を紹介します。
何千年も昔。ある王様が、家来に油がいっぱい入った器を持たせて、にぎやかな街中を歩かせることにしました。その時、王様は、「油を一滴でもこぼしたら命を奪うぞ」と命令しました。
家来は、命を奪われては困るので、「絶対に、ほかのことに気を引かれないで、油をこぼさないようにしよう」と、心に決めました。
ところが、街中はにぎやかで、見たこともないようなきれいな宝石が売られていたり、おいしい食べ物の匂いがしてきたりします。おもしろい出し物もやっています。
家来は、思わず、きれいな宝石に見とれて、油の入った器から目を離してしまいます。油がこぼれかけると、「あ、いけない、いけない。油がこぼれるところだった」と、思い直します。それでも、おいしい食べ物の匂いがすると、油の入った器から目を離してクンクンとしたり、おもしろい出し物をやっていると、そちらに目が釘付けになって、油の入った器から目を離してしまったりしてしまいます。そのたびに、「あ、いけない、いけない。油がこぼれたら、命がなくなってしまう」と、思い直し、姿勢を正しました。
こうして家来は、王様の命令通りに、器から油を一滴もこぼさずに街中を歩くことができたのです。
この話から、大丈夫と思って注意しないこと「油断」と呼ぶようになったそうです。
「油断」は大昔の話ではなく、今でも「油断」はダメです。例えば、交通事故。自分から交通事故に遭おうという人はいません。大丈夫だと思って、横断歩道ではないところを横切ったり、信号を無視したりする人もいます。大丈夫と思っていると、大きな事故に遭って、死んでしまうこともあります。これも油断です。
例えば、雪。雪の上も油断しているとすべって大けがすることもあります。
5年生は明日からウインタースクールに行きます。東京でも雪は降りますね。
そこで、雪の上の歩き方。少し前かがみ。歩幅を狭く。
油断せず、雪が降ったら、やってみてください。特に、5年生はたくさんの雪のあるところにいきます。油断せず安全にすごしましょう。
ほかにも、油断して勉強しないでいるとわからなくなったり、油断して寝不足や食べ物を好き嫌いしていると、病気になったりする。
安全なところでも「危険はないか」と注意する人を賢い人という。
逆に危険なところでも「大丈夫と思う人」または「危険かどうかも考えない人」は愚かな人です。油断せず、賢い人がいいですね。
油断には、別の意味もあります。
→「ゆたに、ゆたに」→「ゆったり、ゆったり」→ゆとりをもって行動すること
油断せず、ゆとりを持って行動することが大事ですね。
今日は、「油断」の話をしました。油断せず、ゆとりを持って行動し、賢い人になりましょう。