一之江第二小 北門

学校日記

2月号

公開日
2013/02/05
更新日
2013/02/05

学校だより

ウインタースクール 〜成長を実感しました 6年生〜

校長   倉田 克彦

 1月9日(水)〜12日(土)に6年生とウインタースクールに行ってまいりました。ウインタースクールを実施した新潟県妙高市は、今年は特に積雪量が多く、宿舎の周りには2m以上の雪の壁が出来ていて、子供達は東京とは全く違うその様子に驚いていました。
 雪灯籠を作ったり、かんじきを履く体験をしたり、スキーを楽しんだり、どの子も雪国ならではの体験に顔が輝いていた4日間でした。
 6年生は礼儀正しく、チームワークもよく、宿舎の職員の皆さんからも何度も褒められ、引率していて誇らしく思えました。この4日間の集団生活の中で、更に心が成長したのではないかと感じました。この宿泊学習を通して身につけた自信を胸に、残された卒業までの貴重な日々を大切に過ごさせてまいります。


科学する心

 「天災は忘れた頃にやって来る」という言葉は有名です。この言葉は、寺田寅彦という東京大学で教授をしていた科学者の言葉と言われています。しかし、寅彦自身が書いた本の中には、どこにもこの言葉は、ありません。寅彦を師と仰いだ、雪の結晶の研究で有名な中谷宇吉郎という科学者が「いつ起こるかも知れない天災」と寅彦の言った言葉をもとにつくったものが広まったようです。ですから「天災は忘れた頃にやって来る」という言葉は、先生である寺田寅彦と弟子の中谷宇吉郎の合作と言えます。 
物理学者、随筆家、俳人でもあった寺田寅彦は、地震のことについて多くのことを書いていますが、その他にも「茶碗の湯」とか「椿の落下」「金平糖」などの読み物もあり、普段我々が見過ごしてしまうようなことを注意深く掘り下げています。
 「なぜだろう」「不思議だな」といつも身の回りのことに関心をもち、科学者の眼でじっくりと観察し、何回も何回も実験し、科学的に解き明かし、それを文学者の眼で分かりやすく説明しています。
 「茶の湯」では、熱い湯を茶碗に注いだ時の湯気やお湯のゆらめきから、大自然に起きる陽炎のこと熱の伝わり方から竜巻のことにまで考えを発展させています。「椿の落下」ではなぜ椿の花は上向きに落ちるのか、落ちた椿の花を何百回と観察し、その割合を調べ、上向きに落ちる謎はその形に秘められているということを解き明かしています。「金平糖」ではどうしてあのような角ができるのかを、作り方を観察し、実際につくり、砂糖の結晶が成長する途中にあの形ができる鍵があることを突き止めています。
 寺田寅彦は、科学上の大発見をしたり、ノーベル賞をもらったりはしていませんが、鋭い観察力と問題を広く発展していく力が今、改めて見直されています。寺田寅彦は、若い科学者に実験のヒントを与え、地道な研究を進め、多くの優れた科学者を育てました。
 先に紹介した雪の結晶を研究した中谷宇吉郎、ノーベル賞を受賞したニュートリノ発見者の小柴昌俊、地震研究者の坪井忠二、お椀くらげの研究の下村脩なども寅彦の影響を大きく受けています。
 子供たちにも寺田寅彦のような生活の中に科学する心を学び、問題を見つける鋭い眼をもち、知識と技を身につけ、粘り強く解決する生き方が出来るように努力できるといいと思います。

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