一之江第二小 北門

学校日記

11月号

公開日
2012/11/21
更新日
2012/11/21

学校だより

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校長   倉田 克彦

心を育てる音楽会

校庭の木々も葉を赤や黄色に染め始め、秋の気配が色濃くなりました。本格的な文化・芸術の季節の到来です。今月は3年に一度の音楽会が開催されます。各教室は、リコーダーや鍵盤ハーモニカの音色、子供たちの歌声が響き、学校は音楽会一色です。
音楽は心を一つにすると言われています。子供たちは、競い合い、励まし合い、補い合い、いたわり合い、認め合う中で、皆で一つのものを作り上げる心地よさを実感しています。子供たち一人一人が輝く音楽会になることを願っています。ぜひ、家族の皆様においでいただき、一人一人の成長を聴き取っていただけますようお願い申し上げます。


啐啄同時(そったくどうじ)

禅の言葉に「啐啄同時」というものがあります。ヒナ鳥が生まれる前に内側からつついて卵の殻を割ることを「啐」といい、同時期に親鳥も外側からつついて殻を破ることを「啄」といいます。親子の共同作業で殻が破れ、ヒナ鳥の誕生となるのです。
両方が一致して雛が生まれる「機を得て両者相応じる得難い好機」のことを「啐啄同時」というそうです。野鳥は巣立ちの時もこの「啐啄同時」を発揮するということです。
人間の一生にも、また子育てにも、「啐啄同時」の機会が何度かあると考えます。親の働きかけと子供の自発性が一致したとき、教育効果があるわけですが、子育てにおいては鳥の親子ほど明確にその時期が分かるというわけではありません。子供を躾ける時期や自立させる時期に悩みながら、今だと思って働きかけても、子供の心に響かなかったり、子供が自分の力でやり遂げたいと思っても、心配な親が過干渉だったりということがあり、なかなかうまくいきません。
どのようにしたら「啐啄同時」に時期を見極めることができるのでしょうか。人間社会は複雑過ぎて名案などというものは見つからないのですが、子供を十分に理解することに尽きると思います。子供の持ち味や体験の有無、心のあり様など、子供の心身の発達のようすをいかに理解するかで、「啐啄同時」の時期が見えてくると思います。親が躾けるタイミングと子供が納得するタイミングが合致した時、親子の心が通じ合い、子供は大きく成長するに違いありません。
教職員と児童もまた同じ事が言えるかと思います。「啐啄同時」という意味深い言葉を少しでも意識して毎日を過ごせたらと思います。