学校日記

2年理科 炭酸水素ナトリウムを加熱した時の変化

公開日
2012/05/24
更新日
2012/05/24

できごと

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 前回の授業で作ったカルメ焼きが膨らんだ理由を探るために、今回はベーキングパウダーの主成分である炭酸水素ナトリウムを加熱した時の変化について調べます。

 乾いた試験管に炭酸水素ナトリウムを入れ、ガラス管のついたゴム栓をはめ、スタンドに固定します。そして、穏やかな炎で加熱します。すると、ガラス管から気体が出てきます。始めのうちは試験管の中の空気が出てきますので、暫くしてから水上置換で発生した気体を集めます。加熱途中に、試験管の内側に注目すると、何やら液体が着いていることがわかります。さらに加熱を続けると、気体の発生が無くなります。火を消す前の注意点として、水槽の水が逆流しないように、ガラス管を水から出しておく必要があります。最終的に試験管には、白い物質が残ります。この後、発生した気体、試験管の内側に付いた液体、残った白い物質の性質を調べます。
集めた気体の中に石灰水を入れます。すると、白く濁ります。また、火の付いたマッチを近づけると、何も起こらず火は消えてしまいます。この時、音をたてて燃えれば水素の発生を疑いますが、その変化も起きません。この気体は石灰水が白く濁ったことから、二酸化炭素と判断ができます。
 次に、試験管の内側に付いた液体に、乾燥機の中から取り出した青色の塩化コバルト紙をつけます。すると、触れたところが、赤色になります。ここから、この液体は水とわかります。
最後に試験管に残った白い物質と、加熱していない元々の炭酸水素ナトリウムとの性質を比べます。水への溶け方を比べると試験管に残った物質の方が水に溶けやすく、この水溶液フェノールフタレイン溶液を加えると真っ赤に変化します。一方、加熱していない元々の炭酸水素ナトリウムは、水にあまり溶けず、フェノールフタレイン溶液との反応は先程とは違います。つまり、同じ白い物質でも加熱後の物質は、炭酸水素ナトリウムとは異なる物質であることがわかります。加熱後の物質は、炭酸ナトリウムという物質です。
 カルメ焼きは、煮詰めた砂糖液に炭酸水素ナトリウムを混ぜ合わせることにより、二酸化炭素と水(水蒸気)が発生し、この気体が砂糖液の粘り気が膜になり膨らむ原因になったと推測できます。カルメ焼きの蜂の巣のような無数の穴がその証拠です。また、カルメ焼きは甘さだけではなく、苦味も感じた人もいるでしょう。これは、炭酸水素ナトリウムが反応して残った炭酸ナトリウムが原因と考えられます。昔ながらのお菓子にはこうした物質の化学変化が関わっていたのです。

 次回は、少し高額な薬品である酸化銀を加熱した時の変化について調べます。

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