うきたの給食 1.26 *郷土料理〜長崎県〜
- 公開日
- 2021/02/05
- 更新日
- 2021/02/05
学校生活
1/26の献立
* ながさきちゃんぽん
* うらかみそぼろ
* てづくりカステラ
* 牛乳
この日の給食も「学校給食週間」の取り組みとして、私たちの住む日本各地のふるさとの味・郷土料理を取り入れた給食です。
2日目のこの日は、長崎県の郷土料理です。
九州地方に位置する長崎県は、室町時代(1543年)に、ポルトガルから鉄砲が伝えられたことに始まり、古くからポルトガルやオランダと交流があり、食事もこれらの国の影響をうけたものが多くみられます。
「ながさきちゃんぽん」は長崎県の名物料理で、「ちゃんぽん麺」とよばれる太めの麺を使った、具だくさんの麺料理です。白くにごったコクのあるスープは、豚肉やイカ、エビ、かまぼこ、野菜などを炒め、豚骨スープを入れて作ります。
「うらかみそぼろ」は、長崎県の浦上地区で作られていた料理で、豚肉とかまぼこ、こんにゃく、野菜などを甘辛く炒めたものです。1500年後半に、ポルトガル人の宣教師が、肉を食べる習慣を伝えようとして伝わったそうです。そぼろという名前は、ポルトガル語で余りものを意味する「ソブラード」からきた、ともいわれています。
「カステラ」は、室町時代末期(1500年代)に、ポルトガル人が長崎県に伝えたお菓子で、小麦粉や卵、砂糖などをよく混ぜ合わせて、しっとりと焼いたものです。カステラとはポルトガル語で「ポルトガルのカスティーリャ地方のパン」という意味だそうです。
この日の給食は、どの料理も初挑戦のメニューで、私栄養士も調理員さんも緊張の1日でした…
ちゃんぽんは、あのコクのある白濁したスープをどう作り出すか、家でも試作をしたり、栄養士の先輩方からいくつもレシピをいただき、使用する調味料や量の検討を重ねて、当日を迎えました。
そしてカステラは、調理員さんの協力なしにはできないメニューでした。
一般的なカステラの作り方は、まず卵と砂糖を湯煎しながら、白っぽく文字がかけるくらいまでよく泡立てます。そして、湯煎しておいたはちみつと油、牛乳を加え、均等に混ぜ合わせ、ふるっておいた小麦粉を泡がつぶれないように加えて、さっくりと混ぜ合わせます。最後に、鉄板にざらめをしいたところに、生地を注いで低温でじっくり焼いて作ります。しっとりふわっと、優しい甘みのカステラは、とってもおいしいですよね。
しかし、大量調理の給食では、非常に難しいメニューなのです…
普段、給食でケーキを作るときは、文字がかけるくらいまで生地を泡立てることが時間的に難しいので、少しベーキングパウダーを足して、膨らみをサポートしています。
ですが、「ベーキングパウダーを使わず、カステラ本来の作り方で作りたい…!」という栄養士の無茶な要望に、調理員さんはたくさん検討を重ねてくれました。
冬休みに試作をし、さらにおうちでも分量や泡立て時間などを変えて、何回も試作をしてくれました。そして、1.卵液と砂糖は湯煎をかけながら、最大限ハンドミキサーで泡立てる、2.重みのあるはちみつや油が生地の下に沈まないように、オーブンで一斉に焼けるように量を変更し、作業工程も見直す、などの工夫を重ね、当日を迎えました。
結果は…ちゃんぽんもカステラも大大大成功でした!!
ちゃんぽんは、子供たちからも「(某有名ちゃんぽん屋さん)みたい!!」「ちゃんぽん最高です〜」とたくさんうれしい感想を聞くことができました。
そしてカステラは、結局調理員さんが1時間近くハンドミキサーをかけ続けてくれたおかげで、生地もふっくらしっとり仕上がり、とってもおいしくできました。こちらも大好評で、普段、給食を残しがちだという子が、わざわざ「先生、カステラがお店のやつよりもおいしくて、完食しました!」と話しに来てくれて、なんだか感動してしまいました…
本当に、よりおいしいものを作るために、1品1品に真剣に向き合ってくれた調理員さんに、感謝の気持ちでいっぱいの1日でした…(涙)
今日の給食を通して、長崎県でよく食べられている料理に興味や関心を持ってくれるといいなと思います。